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奇妙な果実 
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Southern trees bear strange fruit,:南部の木には変わった実がなる
Blood on the leaves and blood at the root,:葉には血、根にも血
Black bodies swinging in the southern breeze,:黒い実が南の風に吹かれて揺れる
Strange fruit hanging from the poplar trees.:ポプラの枝にぶら下がった黒い奇妙な果実

伝説的黒人女性ジャズシンガー、ビリー・ホリデイ がステージの最後を飾る曲としてよく歌った名曲“奇妙な果実”の一節です。

20世紀前半のアメリカは、まだまだ人種差別の横行する社会であり、黒人は人間とはみなされていないような風潮がありました。特に南部を中心に、黒人の虐殺は日常茶飯事であったようです。曲中の“風に揺れる奇妙な果実”とは、つまり、リンチで殺されて木に吊るされた黒人の死体のことなのです。


一瞬ギョッとするほどの過激な詩の内容で大会社が恐れをなして吹き込みを尻込みしたこの曲は、1939年の春、コモドア・レコードという左翼系の小さなマイナー・レーベルによって録音、発売されることになりました。

ルイス・アレン(ペンネーム、本名はエイベル・ミーアポル)というブロンクスのユダヤ系アメリカ人の高校教師が作詞・作曲したこの曲と、壮絶な生い立ちを持つビリー・ホリデイが出会い、そして彼女の歌声がアメリカ全土の良識ある人々の心に突き刺さり、後の公民権法成立(1964年)に大きくつながったと言えなくもなさそうです(ビリーはこの曲での取材でタイム誌に初めて写真が掲載された黒人としても有名です)。

いわば、人種差別反対運動を突き動かした歌と言い切っても過言ではないのでしょうが、それがただ怒りをそのままぶちつけるパッションみたいなものではなくて、不思議なくらい淡々と切々と歌い上げた彼女の哀しさだったことに注目したいと思います。それにしても、彼女の表現力の凄さは、ハンパではないです。


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